韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は3日夜、「自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と述べました。これを受けて戒厳司令官が一切の政治活動などを禁じる布告令を出し、国民生活が大きく制限される恐れがあります。タイムラインで速報します。
- 韓国大統領が「非常戒厳」を宣布 官僚の弾劾訴追で「行政府がまひ」
- 突然の「非常戒厳」宣布 韓国内に広がる困惑と混乱 与党からも批判
■■■12月4日(日本時間)の動き■■■
01:30
米「深刻な懸念持って注視」 米メディアも大きく報道
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布したことを受け、米国のキャンベル国務副長官は3日、「韓国の最近の動きを深刻な懸念を持って注視している」と述べた。韓国政府と連絡を取っており、バイデン大統領も状況について報告を受けているという。キャンベル氏は「米韓同盟は鉄壁で、不確実な時期にある韓国を支持する」とし、「いかなる政治的紛争も、平和的に、法に従って解決されることを期待する」とも述べた。国務省でのイベントで語った。
米国家安全保障会議(NSC)は「米政権は韓国政府と連絡を取り、状況を注視している」と朝日新聞の取材にコメントを出した。
韓国の「非常戒厳」の宣布は、米メディアでも驚きをもって大きく報道されている。米CNN(電子版)は「現在韓国で起こっている驚くべき政治的不安定は、米国を含む海外でも波紋を広げるだろう」と指摘した。
01:00
韓国国会、非常戒厳の解除要求決議案を可決
韓国国会(定数300)は4日未明、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が前夜に宣布した「非常戒厳」の解除要求決議案を可決した。憲法では、国会が在籍議員の過半数の賛成で戒厳の解除を要求したときは、大統領は解除しなければならないと定めている。ただ、実際に解除に至るかは不透明だ。
採決には190人が出席し、全員が賛成した。国会議事堂には戒厳軍が侵入を試みる中、議員補佐官らがバリケードをはって防いだ。
禹元植(ウウォンシク)国会議長は「大統領は直ちに非常戒厳を解除しなければならない。無効だ。国民のみなさんは安心してほしい。国会は国民とともに民主主義を守る」と述べた。禹氏はまた、非常戒厳は宣布を遅滞なく国会に通告しなければならないが、それが行われなかったとも指摘した。
進歩(革新)系最大野党・共に民主党の李在明(イジェミョン)代表は、非常戒厳の宣布は閣議を経ていないため「非常戒厳の実質的要件を全く備えておらず、不法で違憲だ」と述べた。今回の議決で「無効であることが確定的に確認された」とし、軍や警察に「違憲無効である不法な大統領命令に従うことは、それ自体が不法だ」として、従わないよう呼びかけた。
保守系与党・国民の力の韓東勲(ハンドンフン)代表も「国民の自由と権利を制限するいかなる軽挙妄動もしないことを強く要求する」とした。
ただ、実際に解除に至るかは見通せず、議員らは国会で待機を続けている。
00:49
英国「状況を注視」
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布したことについて、英国の駐韓国大使館は現地時間4日未明、X(旧ツイッター)で「状況を注視している」と投稿した。
英外務省はウェブサイトで、韓国への渡航に関する情報を更新。「現地の当局の指示に従い、政治的なデモには近づかないようにしてください」としている。
00:16
アイルランド「信頼できる情報を」
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布したことについて、アイルランドの駐韓国大使館は現地時間4日未明にX(旧ツイッター)を更新した。「韓国当局の指示に従い、信頼できるメディアの情報を追って、いまは公の場のデモには近づかないでください」と注意している。
■■■12月3日(日本時間)の動き■■■
22:51
BBCは逐次速報を展開
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が「非常戒厳」を宣布したことは、海外メディアも驚きをもって伝えている。英公共放送BBCは即座に「逐次速報」のページを立ち上げ、現地の動きを伝えている。
ソウル特派員の「分析」では、尹氏が総選挙後、「レームダック(死に体)大統領」になっていると指摘。妻の汚職容疑や閣僚の弾劾(だんがい)といった動きがあることを伝え、「尹氏は『最終手段』に出た」との見方を伝えた。
22:25
韓国の尹錫悦大統領「非常戒厳を宣布する」
韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は3日夜、国民に向けた緊急談話を出し、「自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と述べた。尹政権発足以来、多数の政府官僚の弾劾(だんがい)訴追が発議されるなどし、行政府がまひしていることなどが理由だとしている。これを受け、戒厳司令官が一切の政治活動などを禁じる布告令を出した。国民生活が大きく制限される恐れがある。
2022年に発足した尹政権は支持率が20%前後に低迷。4月の総選挙での与党大敗で国会も野党が過半数を占め、国政運営がままならない状況に追い込まれており、野党を力で抑え込んで自らの権力を守る非常手段に出たとみられる。
戒厳司令官が出した布告令では、集会やデモなどを含む政治活動が禁止されるほか、世論操作などを禁止し、すべてのメディアと出版が統制を受けるとしている。「善良な一般市民は日常生活の不便を最小化できるよう措置する」としているが、影響は必至だ。
韓国では1961年に起きた軍事クーデターの際に戒厳令が宣布され、その後も80年代前半までたびたび出された。80年5月には、戒厳令下で軍政に抗議した市民が多数犠牲になる光州事件も起きた。
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