イスラエルとハマスの休戦協議は難航している(パレスチナ自治区ガザ)=AP

【カイロ=時事】米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が3日、エジプトの首都カイロに到着した。ロイター通信が報じた。エジプト治安当局者は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの情勢について話し合うためと説明。休戦協議が議題になるとみられる。

イスラエルのネタニヤフ政権はハマスに提示した休戦案が拒否されると想定し、今後の対応を検討。ガザ最南部ラファへの地上侵攻開始の可能性を探っているとされる。

一方、ハマスの最高指導者ハニヤ氏は2日の声明で、「(休戦案を)前向きに検討している」と強調。交渉が行われるエジプトに代表団を近く派遣すると表明していた。

ただ、アラブの交渉関係者は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに、いかなる案でも「戦争終結への信用できる道筋」が含まれていなければ、ハマスは提案を拒否するとの見方を示した。

ハマスに提示された休戦案では、第1弾の人質解放後、戦闘終結に関して「議論する」との表現にとどまっているとされる。また、ネタニヤフ首相は、合意の有無にかかわらず、「完全勝利」まで戦闘を続けると繰り返し明言している。

避難民ら約120万人が身を寄せるラファでの地上作戦について、ロイターによると、国連人道問題調整事務所(OCHA)の報道官は3日、「民間人虐殺になりかねない」と強い懸念を表明。ガザでの人道支援に大きな打撃を与えると述べた。

イスラエル紙マーリブ(電子版)は3日、世論調査の結果、国民の54%がラファ侵攻よりも、ハマスと合意し、ガザで拘束が続く人質を解放させるべきだと答えたと報じた。一方、右派の79%はラファでの地上作戦を支持した。

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