プーチン大統領は28日、ウクライナ首都への攻撃可能性について言及した=ロイター

ロシアのプーチン大統領は28日、ウクライナによる米英製の長射程兵器を使ったロシア領内攻撃への報復対象として首都キーウ(キエフ)の政府施設を攻撃する可能性を示唆した。欧米諸国やウクライナを威嚇する狙いとみられる。カザフスタンで開催した旧ソ連諸国の軍事同盟、集団安全保障条約機構(CSTO)の首脳会議で語った。

ロシア大統領府によると、プーチン氏は「ロシア国防省などがウクライナ領内を攻撃する目標を選定中だ」と述べ、キーウの軍事施設や意思決定機関など政府庁舎を攻撃する可能性について言及した。ロシアはミサイルや無人機(ドローン)によるウクライナへの攻撃を強めている。

プーチン氏は21日のビデオ演説でウクライナ東部の要衝ドニプロの攻撃に新型の中距離弾道ミサイル(IRBM)「オレシニク」を用いたと表明した。ウクライナが長射程兵器でロシア領内を攻撃したことへの措置だと説明した。

オレシニクについてプーチン氏は28日に「連続生産を開始した」と話し、今後のロシアへの脅威の状況や攻撃の対象とする目標に応じて攻撃手段を選択する考えを示した。

ウクライナ軍は19日に米国から供与された長距離地対地ミサイル「ATACMS」でロシア西部ブリャンスク州の軍事施設を攻撃した。20日には英国製の空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」でロシア領内に攻撃した。

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