イスラエル軍は10月、レバノン南部で平和維持活動にあたる国連のレバノン暫定軍を攻撃し、隊員がけがをしました。
これを受けて国連でPKOを統括するラクロワ事務次長は13日、レバノン南部のPKO部隊の拠点を訪れ、大きな穴があいた屋根や破損した車などを視察しました。
視察のあと、日本を訪れているラクロワ事務次長は22日、都内でNHKの単独インタビューに応じ「敵対行為は人命を奪い、破壊をもたらし、甚大な影響を及ぼしており一刻も早く止める必要がある」と強い危機感を示しました。
そして「平和維持部隊は現地にとどまる必要がある。現地では外交努力が続けられていて、まもなく停戦と交渉のテーブルに復帰することを願っている」と述べ、イスラエルとヒズボラとの間の停戦に向けた動きに期待を示すとともに部隊の活動を継続する重要性を指摘しました。
一方、世界各地で紛争や戦闘が後を絶たない状況でのPKOのあり方について尋ねると「われわれが維持しようとする平和は常にぜい弱だ。平和維持部隊によって毎日、多くの民間人が保護されている。不安定な状況が完全な混とんになることを防いでいる」と述べ、国連PKOの意義を改めて強調しました。
そしてラクロワ事務次長は「日本は平和維持活動の最も重要な支援国の一つだ。非常に困難な国際情勢の中、役割はこれまで以上に重要だ」として日本の役割に期待を示しました。
レバノン暫定軍 アルゼンチンが撤退
国連のレバノン暫定軍は19日、参加国のアルゼンチンが隊員を撤退させたことを明らかにしました。
アルゼンチン側から撤退した理由は説明されていないということです。
ロイター通信によりますとレバノン暫定軍に隊員を派遣する48か国で撤退させた国はアルゼンチンが初めてだということです。
レバノン暫定軍は19日、部隊がロケット弾による攻撃を受けてガーナの隊員4人が負傷したと発表するなど、レバノン暫定軍に対する攻撃が相次いでいて、国連が非難しているほか国際社会からの懸念も強まっています。
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