トランスジェンダーを公表する初の連邦議員となるマクブライド氏(中央)=AP

【ワシントン=芦塚智子】米共和党のジョンソン下院議長は20日、連邦議会の建物内でトランスジェンダー(出生時の性と自認する性が一致しない人)の女性が女性用のトイレや更衣室を使用することを禁じる方針を発表した。トランスジェンダーを公表するサラ・マクブライド氏(民主党)が2025年1月に下院議員に就任するのを踏まえた措置だ。

下院の規則は、下院の施設を管理する権限は原則として下院議長にあると定めている。ジョンソン氏は声明で、特定の性別用の施設は全て「生物学上の性別」用だと指摘。各議員の部屋にはそれぞれ個人用のトイレがあり、議会内には男女両用のトイレもあると説明した。「女性は女性専用のスペースを持つに値する」とも述べた。

議会のトイレを巡っては、共和のナンシー・メース下院議員が18日、議員や職員らが「生物学上の性別」に合致しないトイレや更衣室を使用することを禁じる決議を提出。一部の民主下院議員らが批判していた。

マクブライド氏は5日の下院選で、東部デラウェア州から初当選した。トランスジェンダーを公言する初の連邦議員となる。

トランスジェンダーのトイレ使用は、米国の保守派とリベラル派の価値観を巡る対立「文化戦争」の火種の一つとなっている。

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