ニューヨーク証券取引所

【NQNニューヨーク=川上純平】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比31ドル42セント高の4万3300ドル36セントで推移している。前日にかけて相場が調整した後で、主力株の一角に押し目買いが入っている。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ鈍化や地政学リスクの高まりに対する懸念は相場の重荷で、ダウ平均は下げる場面もある。

ダウ平均は前日までの4営業日で700ドル近く下落した。5日の米大統領選後の急速な株高による短期的な過熱感がある程度解消し、主力株に買いが入りやすくなっている。トランプ次期米大統領による減税や規制緩和が景気の押し上げにつながるとの観測が根強い。

もっとも、米株相場の上値は重い。底堅い米景気を背景にFRBの利下げペースがこれまでの想定よりも遅くなるとの懸念が主力株への売りを促している。ウクライナ情勢を巡る不透明感も引き続き投資家心理の重荷となっている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、小売りのターゲットが急落して始まった。20日発表の2024年8〜10月期決算は売上高が市場予想を下回った。同時に25年1月期通期の収益見通しを下方修正し、嫌気した売りが広がり一時2割安となっている。

ダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループやシェブロン、セールスフォースが上昇している。半面、アマゾン・ドット・コムやホーム・デポには売りが出ている。20日の取引終了後に決算を発表するエヌビディアも安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して始まった。

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