【ニューヨーク=共同】国連総会(193カ国)の第1委員会(軍縮)は8日、日本と米国が共同で提出した宇宙空間に核兵器や大量破壊兵器を配備しないよう各国に求める決議案を159カ国の賛成で採択した。ロシアや北朝鮮、イランなど5カ国は反対。中国は棄権した。年内に総会で正式採択する見通し。
総会決議には法的拘束力はないが、採択されれば、ノーベル平和賞受賞が決まった日本原水爆被害者団体協議会が目指す「核なき世界」に向け、宇宙分野で各国が歩調を合わせることになる。ウクライナ侵略を巡るロシアと米国の対立などで、核兵器削減の交渉は停滞している。
決議案には、宇宙の平和利用を定めた宇宙条約を「順守する義務を再確認する」と明記。宇宙空間での核兵器による爆発は、長期にわたって深刻な影響を与える可能性があると懸念を示し「地球周回軌道や宇宙空間への配備を目的とした核兵器や大量破壊兵器の開発をしないよう呼びかける」との条項も盛り込んだ。
日米は安全保障理事会に同様の決議案を提出したが、4月にロシアが拒否権を行使し、採択できなかった。委員会や総会の採決は、安保理とは異なり拒否権がなく、多数決で決まる。
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