韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が7日、記者会見を開き、与党候補の公認をめぐり、自身と妻の金建希(キムゴニ)氏が不当に介入したとされる疑惑などについて、「すべて私の不注意で不徳の致すところだ」と陳謝した。尹氏の支持率は就任後最低の19%に落ち込んでおり、任期後半も厳しい政権運営を強いられそうだ。

 記者会見は、尹氏が10日で2022年5月の就任から2年半となり、5年間の任期の折り返しを迎えるのに合わせて開かれた。

 この疑惑は、尹氏と金氏が22年6月の国会議員の補欠選挙で、与党候補の公認に不当に介入したとするもので、尹氏が政治ブローカーとされる人物と交わした会話を録音した音声も暴露された。尹氏はこの日、陳謝する一方で、疑惑は「事実と異なる」と否定した。

 韓国メディアでは連日のように、この疑惑が報道され、世論調査機関・ギャラップが1日に発表した世論調査では、支持率が初めて20%を割り込んだ。野党のみならず、与党・国民の力の韓東勲(ハンドンフン)代表からも国民に謝罪と説明をするよう求められていた。

 また、尹氏は会見で金氏について「もっと慎重に行動しなければならなかった」などと弁明した。金氏をめぐっては、この政治ブローカーとされる人物が絡んだ別の疑惑のほか、株価操作への関与や高級ブランドバッグの受領などの疑惑も持ち上がっている。

 一方、尹氏は記者会見で、日韓関係についても質問を受けた。来年は日韓国交正常化60年となり、大阪・関西万博も開かれると指摘し、「官民が力を合わせ、韓日関係(の改善)が国民の暮らしにより役立ち、体感できる成果が出るように準備をする」と述べた。(ソウル=太田成美)

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