【NQNニューヨーク=戸部実華】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比427ドル28セント(1.02%)高の4万2221ドル88セントで終えた。米大統領・議会選挙の投開票日を迎え、結果を見極めたい雰囲気が強かった。一方、景況感の改善を示す米経済指標の発表や、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ継続観測などを背景に株式へ買いが入り、ダウ平均を押し上げた。

政治分析サイト「ファイブサーティーエイト」の最終集計では、大統領選の勝者が民主党候補のハリス副大統領になる確率が50%、共和党のトランプ前大統領は49%と互角となっている。接戦となり、結果判明に時間がかかるとの予想は多い。僅差による票の再集計など選挙後の混乱への懸念もくすぶった。

一方、過去の選挙を振り返ると投開票日と結果判明後は相場が上昇しやすい傾向があり「結果が想定の範囲内で出れば選挙を巡る不透明感が払拭され、株は買われやすくなる」(LPLファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏)との見方があった。議会選挙も接戦が予想され「大統領と上下両院の支配政党が異なる『ねじれ議会』となれば、財政悪化が抑制されるなど投資家には好まれる」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との観測もみられた。

5日午前に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の非製造業(サービス業)景況感指数は56.0と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(53.7)に反して前月(54.9)から上昇した。個別指数では「雇用」が、拡大と縮小の分かれ目とされる50を上回る水準に改善した。景気鈍化への懸念もくすぶるなか「サービス業の伸びが加速したことは株式相場にとってポジティブだ」(ダコタ・ウェルス・マネジメントのロバート・パブリック氏)と受け止められた。

FRBは6〜7日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めるとみられている。米経済が底堅さを維持するなかで緩やかながらも利下げが継続するとの観測も、景気敏感株を中心に買いが入りやすかった。

個別銘柄では、前日に下げが目立ったインテルの上昇率が3%を超えた。ゴールドマン・サックスやキャタピラー、アメリカン・エキスプレスといった景気敏感や消費関連株の買いも目立った。アマゾン・ドット・コムも高い。半面、4日に組合員投票で新たな労働協約が承認され、ストライキが終結したボーイングは安い。シェブロンやメルクも下げた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比259.187ポイント(1.42%)高の1万8439.171で終えた。エヌビディアやブロードコムといった半導体株のほか、テスラが買われた。

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