ロシアのラブロフ外相は1日、首都モスクワを訪問した北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外相と会談した。ロシアはウクライナ侵略を続ける中、ロシアを支援する北朝鮮と接近しており、軍事協力などを確認するとみられる。
ロシアと北朝鮮は6月に「包括的戦略パートナーシップ条約」を結んだ。同条約に基づいた協力を話し合うもようだ。北朝鮮の兵士派遣についても協議する可能性がある。
米政府は10月31日、ロシアに派遣された北朝鮮部隊が数日以内にロシア軍の指揮下で参戦するとの見通しを明かした。ロシアに計1万人規模の北朝鮮兵が入っており、このうち8000人がウクライナと国境を接する西部クルスク州に展開しているとみている。
ウクライナのゼレンスキー大統領も31日放送の韓国KBSのインタビューで、北朝鮮軍との交戦が「数日内に発生すると思われる」と話した。
今回のロ朝外相会談では金正恩(キム・ジョンウン)総書記のロシア訪問についても調整するとの見方がある。ロシアのプーチン大統領は6月に平壌で開いた首脳会談で、次回の会談がモスクワで開催されることを望むと述べ、金正恩氏を招待する意向を示していた。
北朝鮮の朝鮮中央通信は10月29日、崔氏がロシアを公式訪問するため28日に平壌を出発したと伝えていた。ロシアメディアによると、崔氏は29日にロシア極東ウラジオストクを訪問した後にモスクワを訪れたという。崔氏は9月にもロシア北西部サンクトペテルブルクを訪れ、ラブロフ氏と会談している。
両国は軍事面での協力を強めている。包括的戦略パートナーシップ条約では相互の軍事支援を第4条に盛り込んだ。金正恩氏は6月の記者発表で「両国間の関係は同盟関係という高い水準にあがった」と宣言した。
ロシアは同条約の批准に向けた手続きを進めている。ロシア下院は10月24日、条約批准の前提となる法案を可決した。11月にも上院で承認され、プーチン氏の署名を経て成立する見通し。条約は両国の国内手続き後、批准書を交換した日に発効する。
ロシアと北朝鮮は北朝鮮兵の派遣について、これまで公式には認めていない。プーチン氏は10月24日に開いた有力新興国によるBRICS首脳会議後の記者会見で派遣を否定しなかった。パートナーシップ条約に関しては「何をどのように行うかは条文の枠内で我々が判断する」と述べた。
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