NHKのインタビューに応じたのはトランプ政権で国務副長官、2019年12月からロシアによるウクライナ侵攻後のおととし9月まで、駐ロシア大使を務めたジョン・サリバン氏です。

サリバン氏は、ロシアへの北朝鮮の部隊の派遣をめぐり「ポイントはプーチン氏の立場が一部の人たちが考えているよりも強くないということだ。彼は、ロシア軍との訓練を行ったことがない兵士、ロシア語を話すかもわからない兵士に頼らざるを得ない」と述べ、兵士を確保しようと国内で動員を行った場合に国民から反発されることを恐れるプーチン氏の政治的な弱さの表れだと指摘しました。

その上で「わたしの予想ではロシアはかつてワグネルが受刑者から募った戦闘員をウクライナ軍のざんごうに対する“人の波”として使ったように、北朝鮮の部隊を利用する」と述べ、ざんごうを突破するために被害を顧みずに投入するという見通しを示しました。

さらにロシアから北朝鮮への見返りについては核・ミサイル技術の提供もありうるとした上で「プーチン氏がより心配しているのは、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展を望んでいない中国の反応だ。中国の政治的、経済的、軍事的な支援はプーチン氏にとって非常に重要だ」と述べ、今後、中国の出方がカギを握るという分析を示しました。

一方、11月5日のアメリカ大統領選挙について「もしトランプ氏が当選すればウクライナは非常に危険だ。ただ、たとえアメリカが支援を打ち切ったとしても、ウクライナは屈することはないだろう」と述べ、ウクライナ支援に消極的なトランプ氏が当選した場合、ウクライナは厳しい立場に立たされるものの、ロシアへの抵抗をやめることはないとの見方を示しました。

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