米ウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=戸部実華】10月31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落して始まり、午前9時35分現在は前日比194ドル43セント安の4万1947ドル11セントで推移している。前日夕に2024年7〜9月期決算を発表した主力ハイテク銘柄が売られ、相場の重荷となっている。ダウ平均の下げ幅は一時200ドルを超えた。

マイクロソフトが6%あまり下げる場面がある。前日の決算説明会で発表した10〜12月期の売上高見通しは市場予想に届かなかった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズも安い。前日に決算と併せて示した設備投資の増額の見通しなどが嫌気されている。31日夕に決算発表を控えるアップルとアマゾン・ドット・コムも下げている。

31日発表の9月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比の上昇率が2.1%と8月(2.3%)から鈍化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。一方、食品とエネルギーを除くコア指数の前月比の伸び率は0.3%と8月(0.2%)から加速。前年同月比では2.7%上昇し、市場予想(2.6%)を上回った。「段階的な利下げを後押しする」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との見方が多いものの、インフレ懸念はくすぶっている。

朝方発表の米雇用関連の指標では、週間の新規失業保険申請件数が21万6000件と前の週から減り、市場予想(23万件)より少なかった。半面、7〜9月期の雇用コスト指数は前期比0.8%上昇と、市場予想(0.9%上昇)を下回った。強弱が入り交じる内容となるなか、11月1日に発表される10月の雇用統計を見極めたい雰囲気が強い。

個別銘柄では31日に12月期通期の業績予想を引き下げたメルクが安い。インテルやボーイング、ナイキも売られている。一方、ビザやウォルト・ディズニーは買われている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して始まった。前日に下げが目立った半導体株にも売りが続いている。

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