米ウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=稲場三奈】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前10時現在は前日比127ドル77セント高の4万2360ドル82セントで推移している。四半期決算を発表した銘柄を中心に値動きが大きい。30日朝発表の米経済指標は強弱入り交じる内容で、方向感が出にくい。ダウ平均は小幅な下落に転じる場面もある。

ビザが高い。前日夕発表の24年7〜9月期決算が市場予想以上の内容で買いが先行している。一方、キャタピラーが下落し、ダウ平均を押し下げている。朝発表の2024年7〜9月期決算では売上高と1株利益が市場予想を下回り、嫌気した売りが出ている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、グーグルの親会社、アルファベットは一時7%高となった。前日夕に発表した24年7〜9月期決算で売上高などが市場予想を上回った。クラウド事業が全体の伸びをけん引し、好感した買いが広がっている。半面、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は前日夕発表の24年7〜9月期決算と併せて示した見通しが物足りないとの受け止めから下げており、ほかの半導体銘柄にも売りが波及している。

朝発表の24年7〜9月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.8%増と、4〜6月期(3.0%増)から減速し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(3.1%増)も下回った。一方、10月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比23万3000人増と、市場予想(11万3000人増)を大幅に上回った。方向感が定まらず、積極的に売買する材料になりにくい。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスやユナイテッドヘルス・グループ、アマゾン・ドット・コムなどに買いが入っている。一方、ナイキとIBMは安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退して始まった。30日の取引終了後にはマイクロソフトやメタプラットフォームズといった大型ハイテク企業の四半期決算発表があり、様子見の姿勢もみられる。AMDの大幅安を受け、エヌビディアなどにも売りが波及している。

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