追加関税の導入を巡ってはEU内が割れた(中国の小米のEV)=ロイター

【ブリュッセル=時事】欧州連合(EU)欧州委員会は29日、中国製電気自動車(EV)に対する追加関税の導入を正式決定した。今後5年にわたり、従来の10%に7.8〜35.3%を上乗せし、最大45.3%の関税を課す。30日に適用を開始する。

欧州委は昨年10月、安価な中国製EVが市場競争をゆがめている疑いがあるとして調査を開始。今年6月には、中国政府による「不当な補助金の恩恵を受けている」との暫定結果を公表し、追加関税を導入する方針を示した。

導入をめぐっては、EU内で意見が分かれ、フランスが国内産業保護などの観点から追加関税に賛成する一方、ドイツは中国市場への依存度が大きい自国の自動車メーカーへの影響を懸念して反対した。ロイター通信によると、今月4日の加盟27カ国による採決では、10カ国が賛成、5カ国が反対、12カ国が棄権したとされる。

一方、中国は世界貿易機関(WTO)に提訴したほか、EU産のブランデーや豚肉の反ダンピング(不当廉売)調査に乗り出すなど、反発を強めている。EUは、中国製EVに最低価格を設ける案を含め、追加関税導入後も中国との協議を続ける考えだ。

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