英HSBCは2024年7~9月期の決算を発表した

【ロンドン=日高大】英金融大手HSBCホールディングスが29日発表した2024年7〜9月期決算は、純利益が前年同期比9%増の61億3400万ドル(約9300億円)だった。純金利収入が減少したものの、富裕層向けの銀行業務が伸びた。30億ドルの自社株買いも発表した。

富裕層向けの銀行部門が業績をけん引した。同部門の税引き前利益は32億2600万ドルで、前年同期比で16%増えた。グローバルバンキング&マーケッツ部門の税引き前利益は40%増の18億4900万ドルだった。

純金利収入は17%減の76億3700万ドルだった。預貸の利ざやを示す純金利マージンは1.70%から1.46%へ縮小した。純手数料収入は4%増の31億2200万ドルだった。各国の中央銀行は利下げに動いており、本格的に利下げ局面が到来すれば今後も利ざや縮小が懸念される。

貸倒引当金など融資の焦げ付きに備えて計上する予想信用損失は9億8600万ドルで、前年同期の10億3800万ドルから減少した。

HSBCは22日、コスト削減や業務の効率化を目的とした組織改編を25年1月に実施すると発表した。地盤を持つ香港と英国の2部門に法人や機関投資家向け銀行業務と富裕層向け銀行業務を加え、4部門に再編する。9月に就任したジョルジュ・エレデリー最高経営責任者(CEO)は「競争優位性のある分野で市場シェアを拡大する」と話した。

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