【NQNニューヨーク=稲場三奈】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反発し、前週末比273ドル17セント高の4万2387ドル57セント(速報値)で終えた。前週末まで下げが続いた後で、主力株に自律反発狙いの買いが入った。原油価格の下落も投資家心理の支えとなり、ダウ平均を押し上げた面もあった。

ダウ平均は前週末までの5営業日で1161ドル下げた。短期間で大きく下げた後で、ハイテク株や金融株を中心に持ち高調整の買いが入った。週内に四半期決算を発表する大型ハイテク株の一部には先回りした買いが広がった。

週内には9月の米個人消費支出(PCE)物価指数や10月の米雇用統計も発表されるほか、来週には米大統領選や11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)がある。市場では、「多くの相場を動かしやすい材料を前に、買いが優勢となった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。

中東ではイスラエルが現地時間26日未明にイランに報復攻撃をしたものの、軍事施設に限定し、石油や核関連の施設を標的にしなかったと伝わった。原油先物相場が大幅に下落し、投資家のリスク回避姿勢がひとまず後退したことも、主力株の買いにつながった。

個別では、アナリストの目標株価引き上げがあったスリーエム(3M)が大幅高となった。マクドナルドも買われた。大腸菌の集団感染を巡り、米国の一部地域で提供を止めていた商品の提供を近く再開すると伝わった。ゴールドマン・サックスやセールスフォースも高かった。一方、原油安を受け、シェブロンは売られた。従業員によるストライキが長期化するなか増資を発表したボーイングも安かった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前週末比48.583ポイント高の1万8567.189(速報値)で終えた。一時は7月10日に付けた最高値(1万8647ドル)を上回ったが米長期金利の上昇が重荷となった。

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