【合肥=共同】中国の李克強前首相が上海市で急死してから27日で1年たった。習近平国家主席と確執があったとされ、故郷の安徽省合肥の地元当局はゆかりの場に大勢の警察官を配置し、追悼の動きを抑え込んだ。中国経済の減速傾向が続く中、経済通とされた李氏をたたえる動きを現体制への不満表明と見なしているとみられる。
李氏が幼少期を過ごした住宅には死去直後、多くの人が献花に訪れた。しかし、この日は警察官約40人が警戒に当たり、追悼に訪れる人や外国メディアが近づくことを阻止した。生家がある郊外の農村も道路がフェンスや土砂で通行止めにされた。李氏は実直な人柄だったとされ、地元の男性は「庶民に尊敬される偉大な政治家だった」と話した。
李氏は上海市で休養していた昨年10月27日、突発の心臓病を患い68歳で死去した。胡錦濤前国家主席の後継者と目されたが、2007年の最高指導部入りで習氏よりも下位の序列となった。13年の首相就任当初に打ち出した構造改革を重視する経済政策で期待を集めたものの、習氏の「1強体制」の確立で存在感が低下し、23年に現役を退いた。〔共同〕
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