【フランクフルト=林英樹】高級車大手のドイツ・メルセデス・ベンツグループが25日発表した2024年7〜9月期決算で純利益は前年同期比54%減の17億1900万ユーロ(約2800億円)だった。S、Gクラスやマイバッハなど「トップエンド(最上級)車」の重要市場である中国で販売が低迷し、中国事業の売上高が17%減ったのが響いた。
全体の売上高は7%減の345億2800万ユーロ、EBIT(利払い・税引き前利益)は48%減の25億1700万ユーロだった。メルセデスは9月、市場環境の悪化を理由に24年12月通期の乗用車部門の売上高EBIT率を7.5〜8.5%に下方修正した。7〜9月の同率は前年同期比7.7ポイント低下の4.7%と大きく落ち込んだ。
主因は中国市場の悪化にある。7〜9月の中国での新車販売は13%減の17万700台、1〜9月の累計でも10%減の51万2200台にとどまった。中国事業の売上高は50億9000万ユーロで前年同期比17%減、直近の24年4〜6月期と比べて20%減少した。
ハラルド・ヴィルヘルム最高財務責任者(CFO)は同日の投資家向け説明会で「需要低迷に加え、モデルチェンジの時期が重なり、Gクラスの旧モデルが在庫切れとなった」と説明した。
もうひとつの原因は電気自動車(EV)の失速だ。グループ全体の7〜9月世界販売台数(バンを含む)は3%減の59万4600台だった。特にEVの落ち込みが大きく、4万6900台と31%減った。
本社を置くドイツが23年12月、EV購入補助金を廃止した影響が今も尾を引く。独事業の7〜9月期の売上高は46億8600万ユーロで、前年同期の4分の3の水準にとどまった。
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