新興国で作るBRICSの首脳会議は、ロシア中部の都市カザンで22日から24日まで開かれます。
今回の首脳会議はエジプトやイランなどが新たに加わり、加盟国が拡大してから初めてです。
ロシア大統領府のウシャコフ補佐官は今月10日、加盟国以外の国も含めて、これまでに32か国が参加を表明しており、このうち24か国は首脳級が出席すると明らかにしました。
また期間中、プーチン大統領は中国の習近平国家主席やインドのモディ首相など、各国と2国間の首脳会談も行うとしています。
18日、BRICSの関連イベントで演説したプーチン大統領は「BRICSは現在の世界経済において、すでに顕著な役割を果たしているが、この役割は今後も拡大するだろう」と述べ意義を強調しました。
ロシアとしては、首脳会議の開催を通じてウクライナ侵攻で欧米などに制裁を科される中にあっても、国際社会で孤立していないと国内外にアピールするとともに、欧米に対抗するねらいがあるものとみられます。
専門家「制裁 効果なく近視眼的と示すもの」
元外交官で、BRICSを研究しているロシア科学アカデミー経済研究所アジア・ロシア戦略センターのトロラヤ所長がNHKのインタビューに応じました。
この中で、トロラヤ氏は、ロシアでBRICSの首脳会議が開かれることについて「欧米などから厳しい制裁を科されても、ロシアはこのような行事を開催でき、欧米以外の国々は欧米に脅されてもロシアとの交流を望んでいる。制裁は効果がなく近視眼的だと示すものだ」と指摘しました。
その上で「ロシアにとっては、自国の政策や外交的な立場について一定の支持を得ることが重要だ」と述べ、ウクライナをめぐって欧米と激しく対立するロシアとしてはインドやブラジルなど「グローバル・サウス」と呼ばれる国々からの支持を集めるための外交の場として重視しているとの見方を示しました。
さらに「BRICSの主要な任務は世界秩序を変えることであり、多極化の概念に基づく、より公正な世界秩序への移行を目指すことだ。現在の世界秩序はアメリカを中心とした欧米の支配に基づいているからだ」と述べました。
一方で、G7=主要7か国との関係については「BRICSはG7と均衡を図るものではあるが、対立するものではなく、互恵的な条件においては協力するものだ」と述べ、対立は目指していないと強調しました。
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