【NQNニューヨーク=矢内純一】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前週末比344ドル31セント(0.79%)安の4万2931ドル60セントで終えた。連日で最高値を更新した後で主力株の一角に利益確定目的の売りが出た。米債券市場で長期金利が上昇したことも株式相場の重荷となり、ダウ平均の下げ幅は一時400ドルに迫った。

ダウ平均は前週まで6週連続で上げ、2900ドルあまり上昇していた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も最高値を更新しており、目先の株式相場の過熱感や高値警戒感が意識されやすかった。

米経済の底堅さから米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが緩やかになるとの見方が強まっている。21日の米債券市場で長期金利は一時4.1%台後半と、7月下旬以来の高水準を付けた。米長期金利の上昇で、株式の相対的な割高感が強まるとみた売りも出た。

今週は23日にテスラが四半期決算を発表する。今後本格化する大手ハイテク企業の決算内容を見極めたいとの雰囲気があった。市場では、「株式相場が高値圏を維持したまま、11月の米大統領選が近づき、持ち高を調整する動きが出やすい」(ベンセニョア・インベストメント・ストラテジーズのリック・ベンセニョア氏)との指摘があった。

ダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスとホーム・デポが下げた。トラベラーズやメルクも安かった。半面、ボーイングが上昇した。従業員によるストライキが続くなか、労働組合に対して新たな労働協約案を提示した。アップルにも買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。前週末比50.452ポイント(0.27%)高の1万8540.005で終え、7月10日以来およそ3カ月ぶりの高値で終えた。エヌビディアが4%高となり、再び最高値を更新した。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も上昇した。一方、テスラが下げた。

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