旧ソビエトのモルドバでは20日、大統領選挙とEUへの加盟の是非を問う国民投票が行われました。
中央選挙管理委員会によりますと、このうち国民投票ではEU加盟に賛成が50.46%、反対が49.54%で、1ポイント以下の僅差で賛成が上回りました。
大統領選挙では、EU加盟を推進してきた現職のサンドゥ大統領の得票率が42.45%、次いでロシアとの関係も重視する元検事総長のストヤノグロ氏が25.98%となりましたが、どの候補も過半数の票を獲得できず、来月3日に決選投票が行われることになりました。
今回の投票をめぐってモルドバ政府は、ロシアが大規模な買収や偽情報の拡散による選挙介入を行ったとして批判を強めています。
国民投票ではEU加盟への賛成が反対を上回ったもののその差はごくわずかで、再選を目指すサンドゥ大統領にとっては痛手となる可能性があり、EU加盟を目指す路線が維持されるのかが焦点です。
サンドゥ大統領「国民の意思 示された」
EUへの加盟を推進してきたサンドゥ大統領は21日、SNSに「モルドバの国民の意思が示された。私たちは不公正な戦いの中で正々堂々と戦い、勝利した」と投稿し、ロシアが選挙介入を強める中でも勝利したと強調しました。
一方、ロシア側は選挙介入を否定していて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、僅差となった国民投票や大統領選挙の結果について「サンドゥ大統領の考えを支持しない人がいかに多いかを示している。これは注目に値する」と述べています。
EU上級代表「国民投票の結果を歓迎」
モルドバで行われたEUへの加盟の是非を問う国民投票の結果について、EUの外相にあたるボレル上級代表は声明を発表し「ロシアやその代理人がモルドバの民主主義と投票のプロセスを傷つけようとしたが、選挙と国民投票を成功裏に終えたモルドバ当局を称賛する」と述べました。
その上で「モルドバの人々がEUへの加盟を望む意思を表明した国民投票の結果を歓迎する」として、加盟に向けた動きを支援していく考えを示しました。
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