ギュレン師(2016年、米ペンシルベニア州)=AP

【イスタンブール=共同】トルコで2016年、約250人が死亡したクーデター未遂事件を巡り、トルコ政府が首謀者と断定した在米イスラム指導者フェトフッラー・ギュレン師が20日、米国の病院で死去した。83歳だった。死因は明らかになっていない。トルコメディアが伝えた。

1999年から米東部ペンシルベニア州に生活拠点を移していた。トルコ民放NTVによると、腎不全や糖尿病などを患っていた。

41年、トルコ東部エルズルム県生まれ。イスラム教の実践と、トルコが国是とする世俗主義の調和を目指し、学校設立など教育活動や社会奉仕活動を通じて国内外で支持者を増やした。支持者による社会運動は「ギュレン運動」と呼ばれた。

現大統領のエルドアン氏とは当初、良好な関係を構築したが、2010年代に強権体質を強めたエルドアン氏との亀裂が鮮明になった。16年7月、軍の一部によるエルドアン政権転覆を狙ったクーデター未遂が発生。政府はギュレン師を首謀者と断定し、米国に身柄の引き渡しを求めたが、米国は応じなかった。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。