【モスクワ、キーウ=共同】ロシアのロゴジン上院議員は大衆紙モスコフスキー・コムソモーレツが20日報じたインタビューで、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島のセバストポリに司令部を置くロシア海軍の黒海艦隊が拠点を変更したと述べた。ウクライナ軍の無人艇による攻撃の標的となったためだとしている。
ロゴジン氏は副首相や国営宇宙開発企業ロスコスモスの社長を過去に務めた有力者。欧米メディアはこれまでに黒海艦隊がセバストポリから退避したと報じていたが、プーチン政権周辺者が公に拠点の変更を認めたのは初めてとみられる。
ロゴジン氏はインタビューで「黒海艦隊の大型艦船は敵の無人艇の標的でしかなかった」とし、黒海艦隊が拠点変更を余儀なくされたと認めた。
セバストポリはウクライナ軍の度重なる攻撃を受け、米戦争研究所は昨年10月、黒海艦隊が軍艦の一部をロシア南部のノボロシースク港に移動させたと分析していた。
黒海艦隊を巡っては、2022年4月に旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ」が沈没したほか、多数の艦艇がウクライナ軍の攻撃により沈没、損壊し大きな打撃を受けているとされる。
一方、ウクライナ軍は20日、ロシアのモスクワ南方リペツク州の軍用飛行場や西部ニジェゴロド州の爆発物製造工場を攻撃したと発表した。ウクライナ情報機関筋によると、爆発物製造工場への攻撃には無人機が使われ、複数の爆発が起きた。
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