主要7カ国(G7)国防相会合が19日、イタリア南部ナポリで初めて開かれ、悪化するウクライナや中東情勢に加え、インド太平洋地域をめぐる安全保障などについて協議。インド太平洋地域を「世界の成長、地政学的発展および軍事バランスの中心」と位置づけた共同宣言を発表した。
石油危機をきっかけに先進国が世界経済を話し合う枠組みとして1975年に始まったG7が国防相会合を開催するのは初めて。終わりの見えないロシアによるウクライナ侵攻や報復の連鎖による緊張の高まりが続く中東情勢を背景に、議長国イタリアが防衛や安全保障での協力強化を目指して開催を決めた。
この日採択された共同宣言では、今月14日の中国軍による台湾周辺での軍事演習について懸念を表明。南シナ海の領有権をめぐるフィリピン、ベトナムとの衝突を念頭に「中国による航行の自由に対する度重なる妨害、係争地形の軍事化に強く反対する」とした。
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中東情勢をめぐっては、パレスチナ自治区ガザでの即時停戦や人質解放のほか、イスラエルが国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)への攻撃を繰り返していることをめぐり「UNIFILの安全に対する全ての脅威」に懸念を表明し「保護は全ての紛争当事者の責務」と明記した。そのうえで「攻撃と報復の危険な連鎖は、制御不能なエスカレーションを助長する危険性を有しており、誰の利益にもならない」と訴えた。(ナポリ=里見稔、パリ=宋光祐)
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