19日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、国防省報道官の発表を掲載しました。

この中で、今月13日に首都ピョンヤンで無人機の残骸が見つかり、調査の結果、今月1日に韓国軍が軍事パレードで公開した偵察用の無人機と同じ機種だと判断を下したと主張しました。

また、ビラを散布するための容器が取り付けられていることなどから、今月上旬にピョンヤン上空から北朝鮮を批判するビラをまいた無人機の可能性が高いとして、引き続き調べるとしています。

国防省報道官は「大韓民国の軍事的手段による侵犯行為が再び見つかり確定される時には宣戦布告と見なし、即時、報復攻撃を行う」と改めて強くけん制しました。

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記の妹、キム・ヨジョン(金与正)氏は今月15日の談話で、「韓国軍が主権侵害行為の主犯であるという、明白な証拠を確保した」と主張していましたが、韓国軍はこれまで「事実の有無を確認できない」としていました。

首都ピョンヤンで回収した無人機だとする写真も掲載

労働新聞には、首都ピョンヤンで回収した無人機だとする写真も掲載されています。

「発見された当時の墜落した無人機」だとする写真には、木の枝に引っ掛かった一部が壊れた白い機体が写っています。

また、韓国軍が公開したとする無人機の写真と、北朝鮮側で見つかったとする無人機の写真を比較するように掲載しています。

記事では、今回ピョンヤンで見つかったのは、韓国軍の「ドローン作戦司令部」に配備されている「遠距離偵察用小型ドローン」と同じ機種だと主張しています。

韓国国防省「確認する価値も 反論する価値もない」

北朝鮮が首都ピョンヤンでみつかったのは韓国軍の無人機と同じ機種だと主張したことについて、韓国国防省は19日、コメントを出し「北の一方的な主張に対して確認する価値も、反論する価値もない」としてこれまでと同様に肯定も否定もしませんでした。

これに先立ち、韓国政府の高官は今月13日に出演したテレビ番組で、無人機の事実関係を確認をすること自体が、北朝鮮内部の統制強化や韓国への揺さぶりを図る北朝鮮の思惑に従うことになると強調していました。

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