バングラデシュのハシナ前首相=AP

【ニューデリー=時事】バングラデシュの特別法廷は17日、治安部隊を投入し、7〜8月の反政府デモを暴力的に鎮圧しようとしたなどとして「人道に対する罪」の容疑でハシナ前首相に対する逮捕状を発付した。ハシナ氏は現在隣国インドに滞在中。両国は犯罪人引き渡し条約を結んでいるが、同氏の移送が実現するかは不透明だ。

同法廷はまた、ハシナ氏と前与党アワミ連盟(AL)幹部ら計46人を11月18日までに逮捕し、出廷させるよう関係当局に指示した。主任検察官は9月、「ハシナ氏だけでなく虐殺に関わった全ての人々を正式な裁判にかける」と述べていた。

反政府デモは公務員採用の優遇措置撤廃問題に端を発し、ハシナ氏の辞任要求へと拡大。同氏は8月5日に辞任、インドに脱出し、約15年続いた政権は崩壊した。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、7月以降起きた一連の衝突で計約650人が死亡した。暫定政権のユヌス首席顧問はインド側にハシナ氏の身柄引き渡しを求めてきた。インド外務省のジャイスワル報道官は17日の記者会見で、ハシナ氏は同国にいると認めつつ「コメントすることはない」と述べた。

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