石破茂首相は17日、就任後初めて、北朝鮮による拉致被害者の家族らと首相官邸で面会した。「首脳同士が大局観を持って、お互いの考えを率直に述べ合うことは極めて重要だ」と述べ、金正恩(キムジョンウン)総書記との首脳会談の実現に意欲を示した。

 首相は面会の冒頭、「国家主権の要素である同胞が他国に拉致されているのは、国家主権の侵害以外の何ものでもない」と指摘。「これまでの経緯などをもう一度検証、分析し、最も有効な手立てを講じていく」と語った。

 首相は自民党総裁選で、東京と平壌の相互連絡事務所の開設を公約に掲げていた。横田めぐみさんの弟で拉致被害者家族会代表の横田拓也さん(56)は首相に対し、連絡事務所は「拉致問題の時間稼ぎにしか寄与しない」として強く反対する考えを示した。めぐみさんの母・早紀江さん(88)は「(帰国が)実現するまで諦めることはない」と訴え、早期の首脳会談の実現を求めた。(森岡航平)

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