先端半導体の生産で「独り勝ち」の構図が鮮明だ(台湾南部・台南)

【台北=龍元秀明】半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が17日発表した2024年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比39.0%増の7596億台湾ドル(約3兆5000億円)、純利益は54.2%増の3252億台湾ドルだった。生成AI(人工知能)や最新スマートフォン向けに先端半導体の販売が好調だった。

売上高、純利益とも四半期ベースで過去最高となった。増収増益は3四半期連続。競合の韓国サムスン電子や米インテルが先端品の量産や受注獲得に苦しむなか、旺盛なAI向け需要をつかみ半導体生産で「独り勝ち」の構図が鮮明だ。

TSMCは半導体の受託生産で世界シェア6割を占める最大手。米半導体大手エヌビディアから主力製品の生産を一手に引き受けるなど、AI向けサーバーに搭載する先端半導体の大半を受託生産している。

最大顧客である米アップルは9月に新型「iPhone16」シリーズを発売した。単価の高い回路線幅3ナノ(ナノは10億分の1)メートルの最先端半導体を搭載しており、TSMCの業績押し上げにつながった。

日本時間午後3時からオンライン形式で決算説明会を開く。経営陣が決算の詳細や今後の見通しを説明する見込みで、発言内容が焦点となる。

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