【NQNニューヨーク=稲場三奈】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比324ドル80セント安の4万2740ドル42セント(速報値)で終えた。半導体関連株の下げが重荷となった。四半期決算を発表した銘柄ではユナイテッドヘルス・グループが大幅安となり、ダウ平均を下押しした。
半導体関連株の下げが目立った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが同日に四半期決算の発表と同時に2025年12月期通期の見通しを引き下げ、幅広い半導体関連株の売り材料になった。当初の予定より1日早い発表となり、市場では「予想外の公表が市場を驚かせた」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との見方があった。
米政府がエヌビディアなど米企業の人工知能(AI)向け半導体について中東諸国を念頭に置いた国ごとの輸出規制を検討していると伝わったことも半導体株の売りを促した。ダウ平均の構成銘柄ではインテルが売られた。ダウ平均は連日で最高値を更新したあとで高値警戒感や短期的な過熱感が意識されやすく、主力銘柄の一部には利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。
ユナイテッドヘルスは一時10%安となった。15日朝に発表した24年7〜9月期決算では、保険料収入に対する保険給付率が上昇した。24年10〜12月期の1株利益予想の上限を引き下げたうえ、25年12月期通期の1株利益の見通しが市場予想を下回り、嫌気した売りが膨らんだ。
その他のダウ平均の構成銘柄では、シェブロンが売られた。イスラエルがイランへの攻撃で石油関連施設を標的としないと伝わり、原油価格が下落し、重荷となった。ダウやキャタピラーも安かった。四半期決算を発表したゴールドマン・サックスも下落した。一方、ボーイングとアップル、メルクが上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比187.098ポイント安の1万8315.587(速報値)で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の下げが目立った。
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