ノルウェーのノーベル委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。授賞理由について、「核兵器が二度と使われてならないと、証言をしてきた」とした。

 平和賞はアルフレッド・ノーベルの遺言に基づき、「国家間の友愛、常備軍の廃止や縮小、和平会議の開催や促進のために、最も大きな、あるいは最も優れた活動を行った者」に贈られる。これら三つの分野で昨年までに、111人と30団体が受賞してきた。

  • なぜ「世界で最も権威のある賞」なのか ミスター・ノーベルの言葉

 ノーベル委員会はノルウェー人5人で構成され、「ノルウェーと北欧諸国の外交政策全体を特徴付ける理想主義と現実主義の混合物を反映する」(2001年、ルンデスタッド前委員会事務局長)といわれる。近年は特に、現実の出来事に関して前向きなメッセージを与えられるような受賞者を選んできた。

 女性の抑圧が大きな課題となっていた昨年は、獄中にいるイランの人権活動家、ナルゲス・モハンマディさん(52)が受賞した。

 今年の平和賞は、1月末までにノミネートされた計286候補(197人、89団体)から選ばれた。候補や推薦者は原則として50年間は公表されない。

 賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億5700万円)。授賞式はノーベルの命日にあたる12月10日にオスロで開かれる。(ロンドン=藤原学思)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。