店には、11日正午のオープンにあわせて多くの韓国文学ファンが集まりました。
店ではもともとハン・ガン氏の翻訳書を扱っていましたが、11日から特設コーナーを用意したということで、訪れた人たちが次々と手に取り、中には売り切れる本もありました。
店によりますと、オンラインショップには11日午前までに200件以上の注文が入ったということです。
また、韓国語の原書を買い求める韓国文学ファンの姿も見られました。
11日書店に一番乗りで駆けつけたという女性は「韓国語を勉強してきたので、すごくうれしいし感無量です。やっぱり韓国語で読みたいと思っていま注文しました」と話していました。
この書店を運営する会社は、韓国文学を日本に広めようと、ハン氏の代表作である「菜食主義者」を翻訳して2011年に出版しました。
この会社の社長、金承福さんはハン氏とも交流があり、先月もソウル市内で会ったということです。
金さんは、「ハン・ガンさんの本を読んで勇気づけられたという日本の読者の手紙を韓国語に翻訳して手渡したところ、ハン・ガンさんは丁寧に返事を書いてくれた。弱い立場の人たちに目を背けない彼女の素直な気持ちは、作品の世界でもそのまま伝わっているので、私たち出版社は、日本でも丁寧に伝えてきたい」と話していました。
ソウルの書店では開店直後に売り切れ
ハン氏の著書は韓国の書店でも次々と売れています。
このうち、ソウル市中心部の書店では、11日午前のオープン直後に、ハン氏の著書がすべて売り切れ、急きょ、出版社から在庫を取り寄せたということです。
そして、正午ごろ、本が再び店頭に並べられると、訪れた大勢の客が集まり、次々と買い求めていました。
書店では11日だけで、およそ2000冊の売り上げを見込んでいるということです。
韓国メディアによりますと、ノーベル文学賞が発表された10日夜以降、オンラインサイトでも著書が次々と売り切れとなり、アクセスが殺到して、一時、サイトがつながらなくなったということです。
書店で本を購入した20代の男性は「韓国人として初めてのノーベル文学賞はすごく意味があるので、読んでみようと来ました。客が多くて驚いています」と話していました。
書店の店員は「ノーベル賞は予想していませんでしたが、とてもよかったです。けさは開店前から待って購入する人もいました」と話していました。
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