イスラエルのネタニヤフ政権は、今月1日に大規模なミサイル攻撃を行ったイランへの対抗措置をとるとしていて、地元メディアなどによりますと、10日夜に開く閣議で協議され承認されるものと見られます。
同盟国アメリカはイランの核施設や石油関連施設を標的に含めないよう求めているほか、サウジアラビアなど周辺の産油国も自国の石油関連施設が今後、イランなどに攻撃されるおそれがあるとして領空の通過を拒否していると報じられるなど、事態のエスカレートを防ぐための働きかけが続いていて、対抗措置の対象や時期が焦点となります。
こうした中、イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの攻撃の応酬も激しさを増しています。
イスラエル軍は10日、ヒズボラがロケット弾など100発以上をイスラエルに向けて発射したとする一方、レバノン南部で至近距離での戦闘や空爆によって多くの戦闘員を殺害したほか、兵器や地下施設などを発見し破壊したと発表しました。
イスラエル軍のハガリ報道官はレバノン南部で撮影された動画で、住宅内にあったというライフル銃などを見せながら、「ここはテロ活動の拠点だ。ヒズボラはイスラエル北部への大規模な襲撃を計画していた。われわれはその能力を解体している」と述べ、作戦の正当性を主張しました。
イスラエル軍 ガザ地区中部の学校を空爆
イスラエル軍はパレスチナのガザ地区にも激しい攻撃を続けていて、10日には中部デルバラハの学校を空爆しました。
ガザ地区の保健当局によりますと、この攻撃で学校に身を寄せていた避難者28人が死亡し、50人以上がけがをして病院で手当てを受けています。
一方のイスラエル軍は、学校はイスラム組織ハマスの司令部として使われテロ攻撃の拠点になっていたとした上で、民間人の被害を抑えるため何重もの対策を講じたと主張しています。
ガザ地区の保健当局は、10日までに確認された死者は4万2065人に上ると発表しました。
ポリオワクチン接種で戦闘休止も
こうした中、ユニセフ=国連児童基金はガザ地区の子どもを対象にしたポリオワクチンの2回目の接種を行うため、10月14日から地域を限定して戦闘が一時休止されると発表しました。
対象となるのは10歳未満の子どもおよそ59万人で、9月には1回目のワクチン接種が行われました。
ガザ地区では衛生環境の悪化からポリオの感染拡大が懸念されていて、ユニセフは「1回目の接種の成功は合意が尊重されれば任務を成し遂げられることを示している」とコメントし、イスラエル軍とハマスの双方に戦闘休止の順守を求めています。
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