日本紙パルプ商事は10日、印刷用紙などを扱うドイツの紙卸3社の事業を買収すると発表した。事業の受け皿となる100%出資の新会社2社を10月にドイツで設立する。市場規模が大きい同国で販路を確保し、欧州事業を拡大する。

買収額は非公表とした。事業を譲り受ける相手先3社は欧州3位の売り上げ規模をもつポルトガルの紙商社のグループ会社だ。グラフィック用紙や包装関連資材などの販売を手掛けており、2023年12月期の売上高は合わせて 5億5040万ユーロ(約890億円)だった。いずれも民事再生中のため、契約は破産管財人と結ぶ。

ドイツの紙・板紙消費量は年間約1,800万トンで、中国や米国、日本に次ぐ市場規模だ。日本紙パルプ商事はこれまでにもドイツに拠点を持っていたが、主にフィルムなど高付加価値品を扱っていた。3 社が持っていたドイツ全域での物流網を活用して事業を拡大する。イギリスやフランスの既存事業と連携して販売増につなげる。

事業譲り受けによる25年3月期の業績への影響は軽微としている。

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