【ビエンチャン=三木理恵子】石破茂首相は10日、訪問先のラオスで韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。安全保障を含む幅広い分野で日韓の協力関係を持続させると確認する。日米韓の枠組みを活用し、アジアの安定を強化すると申し合わせる。

首相が就任後、尹氏と対面で会談するのは初めて。岸田文雄前政権と尹政権で改善した日韓関係をさらに発展させていくと伝える。首脳が相互の国を往来する「シャトル外交」も継続する。2025年の国交正常化60周年に向けて協調していく。

首相はかねて、厳しい東アジアの安保環境を踏まえ、日韓、日米韓の連携をさらに深めていくべきだと主張してきた。会談では北朝鮮の核・ミサイル開発の問題や、中国の東・南シナ海での一方的な現状変更の試みについても意見を交わすとみられる。

日韓は関係改善にあわせて安保協力も深化させている。6月の防衛相会談で韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に区切りをつけた。防衛当局の実務者間の対話や、自衛隊と韓国軍のハイレベル交流を再開させていく。

首相は10日、ラオスでインドのモディ首相とも会談する。日印2国間や日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」を通じて協力をさらに深めたいと伝達する。インドは新興・途上国の「グローバルサウス」の盟主を自任し、国際的な影響力を高めている。

首相はラオスのソンサイ首相とも会う。ラオスは24年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国を務める。

ラオスの発電量の8割を占める水力発電の能力強化を支援すると表明する。電力の安定供給や輸出拡大につなげる。政府開発援助(ODA)を活用する。二酸化炭素(CO2)を排出しないグリーン水素やアンモニアの製造などの技術開発も支援する。

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