台湾の頼清徳総統は10日、「建国記念日」と位置づける「双十節」の式典に就任後初めて臨み、演説しました。
この中で頼総統は「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と述べ、台湾と中国は別だという考えを改めて示したうえで、「中華人民共和国は台湾を代表する権利はない。私の使命は国家の主権を堅持し、侵犯や併合を許さないことだ」などとして、台湾統一を目指す中国の圧力に対抗していく姿勢を強調しました。
そして、「台湾海峡の平和と安定の現状を維持する努力に変わりはない」と訴えるとともに、中国に対し、引き続き対等の立場での対話や交流を求めていく姿勢を示しました。
さらに、「中国が国際社会の期待に応えて影響力を発揮し、世界各国と協力してロシアとウクライナの戦争や中東の紛争を終結させることを望む」と述べ、台湾とともに地域と世界の平和に貢献するよう呼びかけました。
このほか、頼総統は、議会・立法院で野党が多数を占めていることを念頭に「政党の利益が人々の利益をしのぐことは永遠にできない」と述べ、台湾の人々に団結するよう訴えました。
中国は、頼総統を「台湾独立派」として警戒し、ことし5月の就任直後に台湾周辺で大規模な軍事演習を行うなど軍事的な圧力を強めていて、頼総統の演説を受けてどのような対応をとるか注目されます。
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