台湾の頼清徳総統は、10日、「建国記念日」と位置づける「双十節」の式典に就任後初めて臨み、演説で内政の課題への対応や中国との関係に言及する見通しです。
頼総統はことし5月の就任演説の中で、両岸関係の現状維持を訴える一方で「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない」と述べるなど、台湾と中国は別だという考えを繰り返し示しています。
これに対し、台湾統一を目指す中国は頼総統を「台湾独立派」として非難し、大規模な軍事演習を行うなど圧力を強めてきました。
台湾国防部によりますと、中国軍は9日も台湾の周辺で戦闘機や艦艇による合同パトロールを行っていて、台湾メディアは安全保障を担当する当局者の話として、中国軍が頼総統の演説のあと軍事演習を行う可能性があると伝えています。
また、台湾国防部は、中国が10日、四川省にある西昌衛星発射センターから西太平洋に向けてロケットを発射する予定で、台湾の防空識別圏を通過する見通しだと発表しています。
台湾側が警戒を強めるなか、中国が頼総統の演説を受けて軍事的な圧力をさらに強めるのか注目されます。
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