【シリコンバレー=藤生貴子】米調査会社IDCは8日、2024年7〜9月の世界パソコン出荷台数(速報値)が前年同期比2.4%減の6880万台だったと発表した。高価格帯の販売が振るわず米アップルは24.2%減の530万台と大きく減った。
IDCは「パソコン需要が間違いなく戻ってきたが、北米の新学期シーズンと重なりエントリーモデルに需要が集中している」と解説。景気は回復しつつあるが、アップルなど高価格帯のパソコン出荷が伸び悩んだ。新製品の発売を念頭に、買い控える消費者も多かったとみられる。
シェア首位は中国レノボ・グループで前年同期比3%増の1650万台、2位は米HPで0.4%増、3位は米デルテクノロジーズで4%減だった。台湾の華碩電脳(エイスース)とアップルのシェアは4位で並んだ。レノボは3%増でエイスースも10%増えるなど、比較的安価な製品が多いメーカーの出荷は増えた。
パソコン側で素早くデータを処理し人工知能(AI)機能が使いやすくなる「AIパソコン」の需要は法人向けが先行している。IDCは「本格的な普及は2026年になるだろう」(IDC)と予想する。
米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」のサポート終了を25年に控え、法人向けパソコンの買い替えが進んでいる。日本市場は2桁成長となり、IDCは「今後の四半期に他の市場も追随するだろう」と予想する。
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