2月にも台湾国民党の夏立言副主席㊧が訪中し、中国国務院台湾事務弁公室の宋濤主任と面会した=国民党提供・共同

【北京、台北=共同】中国共産党序列4位の王滬寧(ワン・フーニン)・全国政治協商会議(政協)主席が27日、北京の人民大会堂で台湾最大野党、国民党の立法委員17人から成る訪問団と面会した。王氏は「台湾独立分裂活動」への反対を強調し、中台交流を促進したいと表明した。台湾メディアが伝えた。

対中融和路線の国民党は立法院で第1党。中国は立法院で影響力のある国民党を取り込み、5月に発足する民主進歩党(民進党)の頼清徳新政権をけん制する狙い。

王氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席が10日に国民党所属の馬英九前総統と会談した際の発言に触れた上で「われわれは共に中華民族に属し家族だ」と述べ、交流を深めたいと訴えた。

中国が、独立派と見なす民進党政権との対話を拒否する中、国民党側には中国からの観光客呼び込みなどを働きかけ、存在感をアピールしたい意図がある。訪問団を率いる国民党の立法委員団トップ、傅崐萁氏は王氏に対し「台湾の各業界は大陸同胞が台湾に来ることを歓迎している」と強調した。

傅氏は東部沖地震の被災地、花蓮県で県長も務めたベテラン政治家。民進党は、被災地の再建を優先させるべきだと訪中を批判。傅氏は、訪中は中台関係の緊張緩和に貢献すると訴え、花蓮に中国から多くの観光客が来ることが復興につながると反論している。

訪問団は26日北京入り。27日には中国スマートフォン大手、小米(シャオミ)の電気自動車(EV)事業会社の施設などを視察した。28日に中国の観光当局や税関当局を訪れ、台湾に戻る予定。

国民党は今月に入り、馬氏のほか、郝竜斌・元台北市長や夏立言党副主席、洪秀柱元党主席らも訪中し、中国との交流を活発化させている。

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