ガザ最南部ラファには多くの民間人が避難している(27日)=ロイター

【エルサレム、ワシントン=共同】パレスチナ自治区ガザの戦闘休止や人質解放を巡る間接交渉で、仲介役のエジプト代表団は26日、イスラエルで同国当局者と会談した。米ニュースサイト、アクシオスによると、イスラエル側は「最後のチャンス」として、交渉に進展がなければガザ最南部ラファへの侵攻に踏み切るとエジプト側に警告した。会談を受け、イスラム組織ハマスは27日、対応を検討すると発表した。

ラファ侵攻を巡っては、民間人被害の拡大を懸念するバイデン米政権が反対している。米メディアによると、ブリンケン国務長官が30日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談する予定。

サリバン米大統領補佐官は26日、MSNBCテレビで、1週間前と比べ「新たな取り組みが進んでいる」と強調し、交渉進展に期待を表明した。

アクシオスによると、イスラエル側は今回の会談で、ラファ侵攻には明確な期限があり「無意味な再協議」には応じないと伝達した。エジプト代表団は、拘束する人質を解放するようハマスに圧力をかけると応じた。

これまでは戦闘休止を6週間とし、ハマスが人質40人を解放することと引き換えに、イスラエルが収監するパレスチナ人約900人を釈放する条件を軸に間接交渉が進められてきたが、イスラエルは人質の解放人数を減らすことも検討する。

ハマスは恒久停戦とイスラエル軍の撤収を求める立場を崩していない。エジプトはラファ侵攻で避難民が自国に流入し治安が悪化すれば、イスラエルとの関係断絶につながると警告している。

イスラエル軍は27日もガザ各地で攻撃を継続した。パレスチナ通信は中部ヌセイラト難民キャンプの住宅に爆撃があり、乳児を含む8人が死亡したと報じた。ガザ保健当局は27日、これまでのガザ側の死者が3万4388人となったと発表した。

【関連記事】

  • ・エジプト代表団、イスラエルに 戦闘休止交渉の再開仲介
  • ・イスラエル当局者「ラファ侵攻の準備整う」 部隊を移動
  • ・ラファ侵攻なら「子ども60万人危機」 ユニセフ報道官

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。