ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を運営するユー・エス・ジェイ(大阪市)は5日、米ロサンゼルスにあるユニバーサル・スタジオのテーマパークで日本アニメを題材にしたアトラクションを期間限定で開くと発表した。USJは日本のキャラクター人気を活用して来園客数を伸ばしてきた。エンターテインメントの本場へのコンテンツ輸出で世界での知名度がさらに高まりそうだ。
米ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドが2025年4〜5月の週末に開催するイベントで、人気アニメ「ONE PIECE(ワンピース)」や「呪術廻戦」をテーマにしたアトラクションを開く。作品をテーマにした食事やグッズも提供する。詳細は明らかにしていない。
USJが持つ、日本の知的財産(IP)をアトラクションの企画設計やグッズの商品化に落とし込む力に注目が集まっている。USJは「ジュラシック・パーク」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など米国の映画コンテンツを中心とした戦略から、10年代に日本アニメなどのIPを活用する戦略へシフトした。ワンピースのほか「進撃の巨人」や「名探偵コナン」など人気アニメとコラボレーションしたイベントを開いている。
21年には600億円超を投じて、任天堂の人気ゲーム「スーパーマリオ」をテーマにしたエリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を開いた。インバウンド(訪日外国人)にも好評で、連日入場制限がかかる。
戦略が功を奏し、23年のUSJの年間来園客数は1600万人で、2年連続で世界3位になった。本家米国のユニバーサル・スタジオ・ハリウッド(966万人、14位)やユニバーサル・スタジオ・フロリダ(975万人、13位)の来園者数を大きく上回る。
23年にはUSJのスーパー・ニンテンドー・ワールドを参考に、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドが同名のエリアを開いた。アトラクションの中身は米国のスタッフが企画したといい、今回のアトラクション輸出は、USJの企画ノウハウが米国で本格的に試されることになる。
企画が成功すればUSJの知名度が高まり、日本を訪れてUSJのほかのアトラクションで遊んでみたいと考える人も増えそうだ。米国での武者修行の成果が注目される。
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