インド洋にあるチャゴス諸島をめぐっては、19世紀から植民地などとして統治してきたイギリスに対し、東アフリカの島国モーリシャスが返還を求めていました。
イギリス政府は3日、モーリシャスに対し、チャゴス諸島の領有権を返還する一方、最も大きいディエゴガルシア島にある軍事基地の使用は引き続き認められるという合意に達したと発表しました。
1966年に島を借り受けたアメリカが整備したこの基地は、2001年以降のアフガニスタンへの空爆や2003年のイラク戦争において爆撃機や艦艇の出撃拠点となり、イギリス軍も共同使用しています。
ただ、強制的に移住させられた住民が訴訟を起こすなど批判が高まり、2019年には国際司法裁判所がイギリスによるチャゴス諸島の統治は国際法違反だとして返還を勧告するなど国際社会からの圧力が強まっていました。
イギリスとしては、中東情勢が緊迫する中、領有権の返還と引き換えに軍事的要衝の維持を図った形で、アメリカのバイデン大統領も「外交を通じて長年の課題を克服した」として合意を評価する声明を発表しました。
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