イーライ・リリーの主力薬のゼプバウンド=ロイター

【ニューヨーク=吉田圭織】米医薬品大手イーライ・リリーは2日、45億ドル(約6600億円)を投じて研究開発と生産の拠点を新たに建設すると発表した。製造方法がより複雑になってきている医療品の生産効率を向上させる。

インディアナ州のレバノンで建設を予定している「リリー・メディシン・ファウンドリー」は研究開発と生産の施設を1拠点にまとめる。生産効率を上げるための研究を進めつつ、臨床試験(治験)用の試験薬やパイプライン(新薬候補)の生産の歩留まりを高める。

この拠点で培った生産技術は他の拠点にも広げる。

近年の新薬は製造工程が複雑になり、糖尿病薬「マンジャロ」(一般名チルゼパチド)や肥満症治療薬「ゼプバウンド」など需要は高いものの供給不足に陥ったケースが増えている。新薬の年間売上高が10億ドルを超える「ブロックバスター」が生まれにくい原因の一つになっている。

イーライ・リリーによれば、新規施設の建設は2027年末までに完成する見通しで、400人のフルタイム雇用につながるという。

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