【NQNニューヨーク=稲場三奈】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比38ドル17セント(0.09%)高の4万2063ドル36セントで終えた。連日で最高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げを受け、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方が引き続き相場の支えとなった。
FRBが利下げに転換し、景気を下支えする姿勢を打ち出している。20日に米CNBCの番組に出演したFRBのウォラー理事はインフレが想定していたよりも早く鈍化していることなどを挙げ、0.5%の利下げが「正しいと考えた」と話した。「経済が強く、インフレ鈍化が続いている状態を維持したい」などとも述べ、指標次第で速いペースで緩和を進めることを辞さない姿勢も示した。
もっとも上値は重かった。前日にダウ平均が初めて4万2000ドル台に乗せた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は2カ月ぶりに最高値を更新。ハイテク株や半導体株に買いが広がったあとで、主力株の一部に持ち高調整や利益確定の売りが出た。
市場では、「目新しい取引材料に欠き、落ち着いた相場だった。来週発表の週間の新規失業保険申請件数や週間の住宅ローン申請件数に注目が集まっている」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、物流のフェデックスが急落し、前日比15.2%安となった。前日夕発表の2024年6〜8月期決算で売上高などが市場予想に届かなかったうえ、25年5月期通期の収益見通しを引き下げたことが嫌気された。
ダウ平均の構成銘柄では、IBMやウォルマートが高かった。ナイキも上昇し、6.8%高で終えた。前日夕に最高経営責任者(CEO)の交代を発表し、買いが広がった。半導体のクアルコムが買収を検討していると伝わったインテルも高かった。一方、ゴールドマン・サックスやキャタピラー、マイクロソフトは下げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比65.660ポイント(0.36%)安の1万7948.321で終えた。エヌビディアやテスラの売りが目立った。
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