満州事変の発端となった柳条湖事件から18日で93年となり、事件現場に近い中国遼寧省瀋陽市の「九・一八歴史博物館」で記念式典が開かれた。国営中央テレビ(CCTV)によると約1千人が参加。一昨年と昨年に続き、中国共産党の最高指導部メンバーの出席は伝えられていない。
日付にちなむ午前9時18分に合わせて「国の恥を忘れるな」と刻まれた鐘が鳴らされ、サイレンの音が響いた。街中を走る車はクラクションを鳴らした。周辺では交通規制と厳しい警備が敷かれ、一般市民は会場に近づけなかった。
式典は毎年開かれており、事件から90年の節目だった2021年は趙楽際(チャオローチー)・政治局常務委員が来場していた。
満州事変は1931年9月18日、日本の関東軍が奉天(現在の瀋陽)郊外で南満州鉄道(満鉄)の線路を爆破した柳条湖事件から始まった。関東軍は中国側のしわざだと主張し、軍事行動を展開した。
中国で9月18日は「国恥の日」とも呼ばれる。在瀋陽日本総領事館は13日、「9月は日本や日中関係に対して関心が集まりやすい時期」だとして、安全確保に十分注意するよう呼びかけていた。
18日朝、中国南部の広東省深圳で日本人学校の男児1人が登校中に男に襲われて負傷した。容疑者の男は中国当局に身柄を確保されている。動機などは明らかになっておらず、柳条湖事件が起きた日であることと関連があるのかも不明だ。
CCTVなど中国の主要メディアはこの日朝から、柳条湖事件について大きく報道した。深圳で日本人学校の男児が襲われた事件については、午後4時時点で伝えていない。(瀋陽=金順姫)
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