FRBは17日から2日間、金融政策を決める会合を開きます。

アメリカではインフレ率の低下傾向が続いており、先月の消費者物価指数は5か月連続で前の月を下回り、3年半ぶりの低い水準となりました。

FRBのパウエル議長は先月の講演で「金融政策を調整する時が来た」と述べており、市場ではFRBが今回の会合で利下げに踏み切ることがほぼ確実視されています。

利下げを決めれば2020年3月以来、4年半ぶりの利下げとなり、記録的なインフレとの闘いで高金利を続けてきたFRBの金融政策は大きな転換点を迎えることになります。

焦点となっているのは利下げ幅が通常の0.25%か大幅な0.5%となるかです。

有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は12日、「小さく始めるか、大きく始めるか、パウエル議長は難しい決断を迫られている」などと伝えています。

FRBは労働市場が減速する中、これまで続けてきた高い金利がこの先、経済を悪化させないかどうかを見極めようとしているものとみられます。

発表の内容次第では円相場や株価に大きな影響を及ぼす可能性があるだけに市場が注目しています。

FRBの金融政策の変更 市場は

FRBの金融政策の変更は金融市場に大きな影響を及ぼします。

FRBの利下げの幅を市場はどのように見ているのか。

世界最大規模の商品取引所を傘下に置くアメリカのCMEグループは、金利の先物取引の動きをもとにFRBの利下げの確率を予想したデータを公表しています。

それによりますと今回の会合では日本時間の16日午後4時時点では
▼0.25%の利下げがおよそ40%
▼0.5%の利下げがおよそ60%となっています。

市場では今月6日に発表された雇用統計で失業率が5か月ぶりに改善したことや、同じ日にFRBのウォラー理事が「労働市場は引き続き軟化しているが、悪化はしていない。この判断は、今後の金融政策の決定にとって重要だ」などと述べたことで利下げ幅は通常の0.25%になるという観測が高まりました。

しかし、先週後半
▽アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」と
▽イギリスの経済紙「フィナンシャル・タイムズ」がFRBが利下げ幅を0.25%にするか0.5%にするか、それぞれ「難しい決断に直面している」「きわどい判断を迫られている」という記事を掲載。

0.5%の利下げ観測が浮上してきています。

仮に0.5%の利下げとなった場合、大幅な利下げを十分には織り込んでいない為替相場は日米の金利差縮小が意識され円高方向に動くとの見方もあります。

一方、0.25%の利下げとなった場合、大幅な利下げを視野に入れていた投資家が円売りドル買いを進めて円安方向に動くとの観測もあります。

円高方向に振れれば日本の輸出企業の業績への懸念から日経平均株価は下落する可能性も指摘されています。

FRBの政策が発表された後の日本時間19日の外国為替市場や東京株式市場の動きが注目されます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。