“イエメンからミサイル発射”イスラエル軍発表 紛争の拡大懸念

パレスチナのメディアは15日、イスラエル軍がガザ地区北部と中部の難民キャンプに攻撃を行い、住民4人が死亡し、複数のけが人が出ていると伝えました。

一方、イスラエル北部では、イスラエル軍と隣国レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間で、連日、攻撃の応酬が続いていて、イスラエル軍は14日、ヒズボラの複数の関連施設を攻撃したと発表しました。

こうした中、イスラエル軍は15日、「イスラエル中部でミサイル1発が空き地に着弾した。ミサイルはイエメンから発射されたものだ」と発表しました。

けが人はいないということです。

ハマスに連帯を示すイエメンの反政府勢力フーシ派は15日、声明を発表し、「敵の軍事施設を目標に作戦を行った。新型の極超音速ミサイルを使い、作戦は成功した」などと主張しました。

そのうえで、「イスラエルはさらなる攻撃を覚悟しなければならない」と攻撃を続けることを示唆していて、紛争の拡大が懸念されています。

ガザ地区で活動 国境なき医師団責任者の日本人 “即時停戦を”

ガザ地区では14日もイスラエル軍の攻撃が続き、パレスチナの地元メディアは、北部や南部への攻撃で死傷者が出たと伝え、ガザ地区の保健当局は、これまでの死者が4万1182人にのぼったとしています。

こうした中、先月からガザ地区に入り、中部と南部で国境なき医師団の現地責任者として活動する萩原健さんが14日、オンラインでNHKのインタビューに応じました。

萩原さんは、現地の様子について「空爆は引き続き行われていて特に夜間に多いため、なかなか眠れない日が続いている」と説明しました。

また現地では、感染症にかかる子どもや食料不足で栄養失調になる子どもも多く、萩原さんが支援にあたる南部ハンユニスのナセル病院では、およそ70床の小児科病棟に1日140人ほどの入院患者が訪れていると明らかにしました。

そして「ベッド1つを2人や3人で使ったり、マットレスを廊下に置いて治療したりするなど、受け入れ能力を超えている」と話していました。

そのうえで「継続性のある医療を提供するためには、医療施設は安全であるべきだ。即時の停戦しかありえない」と述べ、一刻も早い停戦が必要だと訴えていました。

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