食料支援を受け取るパレスチナ人の子供ら(8月29日、ガザ中部)=AP

【カイロ=時事】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は6日、パレスチナ自治区ガザで1日から始まった10歳未満の子供を対象としたポリオ(小児まひ)の予防接種で、これまでに対象者約64万人のうち、半数以上に当たる約35万5000人が接種を完了したと発表した。ガザ中部、南部、北部と順に接種を進め、接種率9割以上を目指している。

イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突開始から7日で11カ月。ガザでは接種地域以外でイスラエル軍の攻撃が続き、ガザの保健当局は7日、過去48時間で少なくとも61人が死亡したと明らかにした。衝突開始後の死者は4万1000人に迫っている。停滞する停戦と人質解放を巡る交渉で、米国が近く打開案を提示する予定だが、進展するかは不透明だ。

ガザでは8月31日にハマスが拉致した人質6人の遺体が発見され、イスラエル国民の政府への不満が高まっている。地元テレビ局は6日、世論調査結果として、人質解放のために政府が手を尽くしているかとの質問に、61%が「尽くしていない」と回答したと伝えた。

交渉の最大の争点となっているガザ南部の対エジプト境界地帯「フィラデルフィ回廊」へのイスラエル軍部隊の駐留に関しては、60%が回廊への駐留よりも人質解放のための合意を優先すべきだと答えた。ただ、ネタニヤフ首相が党首を務める与党リクード支持層は駐留を支持する傾向にあるという。ハマスは部隊の撤退を求めているが、ネタニヤフ氏は武器密輸を防ぐなどとして駐留継続に固執している。

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