【NQNニューヨーク=川上純平】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比219ドル22セント安の4万0755ドル75セント(速報値)で終えた。5日発表の米雇用指標が労働市場の減速を示す内容となり、主力株への売りを誘った。半面、米連邦準備理事会(FRB)が利下げで景気を支えるとの期待は根強い。ハイテク株の一角に買いが入り、ダウ平均は上昇に転じる場面があった。

5日発表の8月のADP全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数は前月比9万9000人増とダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(14万人増)を下回った。6日発表の8月の米雇用統計も労働市場の軟化を示すとの警戒感が広がり、投資家心理を冷やした。ダウ平均の下げ幅は一時、450ドルあまりに拡大した。

同じく5日に発表された4〜6月期の雇用コスト指数(改定値)は前期比年率で0.4%上昇に下方修正された。これも労働市場が想定以上に減速しているとの懸念を誘った。

もっとも、ダウ平均は売り一巡後に下げ渋った。市場では、ADP統計を受けて「FRBが9月に(通常の倍に当たる)0.5%の利下げを実施しても驚きではない」(コメリカ・バンクのビル・アダムス氏)との見方が広がった。金融緩和が景気を下支えするとの観測は主力株への買いを誘った。

アムジェンやコカ・コーラ、ハネウェル・インターナショナルの下げが目立った。半面、メルクやアマゾン・ドット・コム、アップルは上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比43.365ポイント高の1万7127.661(速報値)で終えた。

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