バングラデシュでは、公務員採用の特別枠に反対する学生などによる大規模なデモが各地に広がって、警察との激しい衝突で多くの死傷者が出る事態となり、8月5日、ハシナ首相が辞任に追い込まれました。

保健当局によりますと、一連の衝突で1000人以上が死亡したということです。

その後、ノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏を最高顧問とする暫定政権に、デモを主導した学生のリーダーなども加わり、治安の改善や経済の立て直しなどに取り組んでいます。

民主的な政権移行に向けて選挙が実施される予定ですが、ユヌス氏は具体的な時期については明らかにしていません。

バングラデシュの政治に詳しい立教大学の日下部尚徳准教授は「学生たちが新たな政党の立ち上げを模索する動きも出ていて、国民が納得できる形で選挙を実施する体制を整える必要がある」と述べ、公正な選挙を実施できるかが焦点だと指摘しています。

ただ、行政機能の回復や政治の安定化などの課題を短期間で解決するのは難しく、選挙の実施にはしばらく時間がかかるとの見通しを示しました。

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