4日、記者会見に臨むカナダ銀行のマックレム総裁=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】カナダ銀行(中央銀行)は4日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を4.5%から4.25%へ引き下げると発表した。利下げは6月の会合以降、3回連続。4年あまり続いた金融引き締めでインフレは鈍化してきた。減速感のにじむ景気を緩和で支える。

4日記者会見したマックレム総裁は3会合連続の利下げに至った判断理由としてインフレ率の鈍化を挙げた。7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.5%上昇となった。2022年6月の8.1%から伸びは鈍っており、カナダ中銀の2%物価目標の達成が視野に入ってきた。

マックレム氏は「インフレ率が予測に沿って引き続き低下するようであれば、政策金利のさらなる引き下げが予想される」と述べ、利下げ継続を示唆した。減速感が出ているカナダ経済にも目配りする姿勢を示す。

24年4〜6月期の国内総生産(GDP)実質成長率は2.1%となり、政府支出や設備投資がけん引して1〜3月期から加速したものの、足元の経済指標はさえないものも目立つ。7月の失業率は6.4%と直近2年間で1.6ポイント上昇した。マックレム氏は「経済が弱まりすぎて、インフレ率が過度に低下するリスクに一段と警戒する必要がある」と会見で述べた。

英キャピタル・エコノミクスの北米担当副チーフエコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は今後も会合ごとに0.25%刻みの利下げを予想する。ただ、下振れリスクを強調するカナダ中銀の姿勢を背景に「いずれかのタイミングで0.5%幅の利下げの可能性はある」とみている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。